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お店は、千駄木のtono;4122にしました。とっても小さなイタリアンレストランです。お料理もとってもおいしいのですが、特筆すべきはお酒です。オーナーシェフとフロア担当のじゅんこさんがふたりそろってお酒大好きなので、ふつうこのサイズの洋食のお店にはありえないようなものがそろっています。まず、ビールは生がプレミアムモルツで、瓶ならワシントンの地ビールが飲めます。もちろんワインもいろいろ。ヨーロッパとアメリカが多いかな。で、日本酒もあります。主に大阪中尾酒造(秋に私を稲刈りに連れて行ってくれたのが、こちらのオーナー夫妻)のものと、栃木の開華、広島の華鳩が中心。お燗は基本的に小瓶が4種類ほど。それから、デザート酒もいろいろあります。というわけで、うかがうと必ず飲んだくれてしまうお店です。
特に日本酒の話をすれば、千駄木界隈はなかなか幸せな地域です。他にも、すぐ向かいにはうなぎをつまみに生酛のどぶが飲める稲毛屋があるし、駅の近くには焼き鳥の今井があるし、よみせ通りを入ったところには鳴滝があるし。買うならのだやさんがあるし。うちから歩いていけるんです。幸せなところに住んだものだ。
さて、本日は女性ふたりで乾杯なので、まずは開華のひなまつりを半分こ。桃色酵母で作った、ほんのりピンク色の特別純米酒です。微発泡で、アルコール度数が6%と低くて、しかも(ここ重要)辛口。フルーティーなので、それだけでいただいてもいいし、さっぱりした料理に合いそう。Sさんも、よろこんで飲んでくれました。本日の自家製パンはそば粉入りでした。ダッカー(オーストラリアのパンの食べ方で、オリーブオイルとくだいたナッツをつけて食べます)付き。これだけでよいつまみです。さらに、日本酒にあうつまみ盛り合わせ。カポナータ、きのこのクロスティーニ、鶏レバーのパテ、チーズ、サーモンのパテ、からすみ。ちなみに、ワインにあうつまみ盛り合わせもあります。カポナータにレンコンが入っていて、おいしかった。
お酒のおかわりは、Sさんが小鼓の抱梅という、微発泡の梅酒。日本酒で作った梅酒を割って、炭酸ガスを入れているそうです。すっきり飲みやすそうでした。小鼓って、瓶のラベルが色々かわいくて好きです。私の方は、開花。これは開華(第一酒造)の蔵人さんたちが蔵の前の水田で育てたお米を使った自家水田雄町純米吟醸原酒。しっかり濃厚でうまい。開華の純米吟醸は香りがどれもとてもよいです。花とフルーツがほどよく混じり合ったような。続いて、龍泉ひやおろし。先日蔵元実習に行ったときに熱燗で飲んだくれていたお酒です。燗がいいんだけどなあ、とじゅんこさんにわがままを言ったら、1杯つけてくれました。わーい、コップ酒。たこのソテーガリシア風は、ピリ辛で酒のつまみにぴったりです。それから、お目当てだった三島雄町と菜の花のリゾット。酒米のリゾットって、あこがれていたのですが、初めて食べられました。こ…このアルデンテ具合が最高。こっそり、普通の飯米より酒米のが好みだと思っているぐらいなので、大感激でした。ま…またこのメニューがあるうちに行きたいなあ。コースの最後は、写真を忘れましたが、キノコのクリームソースのリングイネ。濃厚なクリームソースに合わせて、開華みがき特別純米原酒をお燗でいただきました。本当はメインも食べたかったんだけど、女性ふたりだとこれぐらいで満腹です。
最後に、Sさんはデザートとコーヒー、私はデザートワインをいただきました。Quady Wineryという、カリフォルニア唯一のデザートワイン専門のワイナリーが作っているという、Elysium。バレンタインデイにもふさわしいハートのラベルがなかなかかわいい。割に、中身はかわいくない。これ、なかなかいいじゃないですか。甘いと言っても、ほどほどの甘みに、こしょうっぽいスパイシーな風味が強くて、予想以上に複雑な大人の味でした。チョコレートやチーズに、よく合いそう。本日のしめとして、とても満足のいく一杯でした。
Sさんとの話もすごくはずんで、昔のことや今のこと、自分のことや相手のこと、色々話せて、とても楽しかったです。今日もいい夜でした。
それはともかく、今日なによりも感動したのは、熊澤酒造の天青 吟望 特別純米 防空壕熟成です。天青は、昨年2007年4月にゆきちゃんに連れられて蔵見学に行ったところ。3月号のdanchuに掲載されていたのを見て、「あ、買ったまま飲んでなかった」というお酒を思い出して、飲んでみたところ……うまああああい、うますぎるーーーー。
私が蔵見学で買ったのは、吟望、すなわち特別純米(五百万石)を1年寝かせた(つまり当時は約1年半敷地内の防空壕にて熟成した)お酒でした。当日、燗をつけてもらったら、とってもおいしかったのです。1升瓶しかなくて、湘南から家まで、1升瓶を抱えて帰りました。当時は買わないと決めていた1升瓶を買うぐらいおいしかったのです。
…でも、そのまま冷蔵庫の野菜室にて約1年。1升瓶は、なかなか開けるチャンスがないのよねー、と気にしつつ、放置状態だったのですが、とうとう開けてみた次第。それが、当時もおいしかった記憶はあるけれど、その記憶にもまして、おいしい。うちでの熟成期間も足して、2年強。熟成酒、というには短いけれど、すごーくまろやかで、まあるい、いいお酒でした。ちょい熱め(50度強ぐらい)にお燗すると、すっごくいい甘みになります。たまりません。何にでも合ういいお酒です。
というわけで、danchuを見て熊澤酒造に行ったり、日本料理の天青でごはんを食べようと思っている皆様方、ぜったい吟望防空壕熟成の燗です。これをはずすと、せっかく行った意味が三分の一減です。本音を言うなら、半減です。覚えておいてくださいませ。で、おみやげも期待してます(爆)。あ、うちにある分の味見を希望される方は、今ならまだ一升瓶が半分残ってますー。現在は、久保本家の通箱で、玄関保存(うちで一番寒い場所)。
うわあ、ばっちり、と思う酒&人が登場したり、え?なんで?と思う酒&人が登場しているのは事実ですが(言いたい放題)、まあ好みは人それぞれだからー。
表紙のお酒が、今にもこぼれんタイミングなのが、ある意味一番気になりました。「もったいない!」とつぶやいたら、yuoに「この写真を撮るためにこぼれた分は十分生かされてるんだよ」と言われましたが、どうも納得が生きません。…ああ、もったいない…。
土曜日は、松の屋さんの第3回二升ガールズ会合であるにごり酒の会に参加…の前に、ちょっと池袋東武酒売り場によってみました。お目当ては、竹鶴特設展。トシオ専務を(たまたま)ひとりじめして、しぼりたてとか、もう作らなくなるという大吟醸とか、さらにその熟成酒とか、味見させていただいてしまいました。大吟醸熟成酒は大変おいしかったです。しかも、超レアです。が、高いので、買うのは定番の純米吟醸熟成酒に決めました。ちょうどBYも切り替わったところだったし。で、「これから松の屋さんなんですよー。買っていくと重いかなあ?」「みんなが差し入れありがとうって飲んでくれるから重いのは店まででしょう」「それは盲点だった!」というわけで、けちな私は今度のだやさんで買うことにしました。ごめんなさい東武。そんな感じで商売の邪魔をしていたら、時間がギリギリ。あわてて松の屋さんに向かった次第です。
さて、今日は主催の大塚屋酒店の京子さん曰く「お米の味を味わってもらいたい!」という理由で、にごり酒の日でした。で、ドレスコードがおやじっぽさ。どうしろと…。なんとなく同系色コーディネートをやってみたかったので、赤いつむぎに赤い帯(亡くなった祖母が作った、さざんかのろうけつ染)、ポイントはだるま柄の半襟、まではかわいくしておいて、男物の羽織にしました。男物の羽織は後が縫い閉じられているので、冬にはとっても実用的。おやじっぽさの醸し出し方は人それぞれでした、ね。ドレスコードのせいか、男性のが多かった。
今日は班分けされていて、なぜか私が班長でした。アンケート集め以外なんにもしなかったけど。うちの班は、男性がSさんとWさんとMさん、女性がYさん。みなさん(他の班もだけど)常連の方ばかりで、好みもなんとなくわかっているので、とっても楽しく過ごせました。お酒が切れると、みんな率先してもらいに行ってくれるし。後でるみちゃんに「あやや班が一番飲んだ」って言われました。
で、肝心のお酒。甘いにごり酒は正直ごめんなさいの私ですが、ここで出るお酒は予想通り硬派ばかり。こんなににごりばっかり飲んだのは初めてですが、どれもよかったです。初めていただいた中で特によかったのは、秋鹿霙もようの熱燗。天隠の未発売のにごりも、冷や、燗ともに好み。秋になったら買わなくちゃだわ。
・奥 スパークリング 純米吟醸原酒 活性生酒 19BY 《瓶内二次発酵にごり生酒》
いかにもシャンパン風なしゅわしゅわ生酒。乾杯にぴったりでした。
・天穏 瓶燗 純米にごり 19BY 《火入れ、市販は秋の予定》
まだ堅くて、男っぽい。辛くておいしい。お燗すると優しくなってまたおいしい。
・日置桜 活性にごり酒 特別純米生原酒 19BY 《活性にごり生》
しゅわは少なめですが、味わいがとてもフレッシュ。きれいなにごり。
・五人娘 菩提酛仕込み 醍醐のしずく 19BY 《菩提酛にごり生》
飯米のコシヒカリを使って菩提酛(一般の日本酒とはちょっと変わった作り方だと思ってもらえば)で作ったお酒。同じ班のYさんと「にんにく抜きの水キムチみたい」と結論。すっぱくない果実酢みたいです。不思議な飲み物。ゆずで割ったら、日本酒かどうかわからない飲みやすさでした。決して嫌いじゃないけど、どうしていいかよくわからない感じ。
・睡龍 大和のどぶ 19BY 《にごり生酒》
久保本家の地元のみで販売の、速醸のにごり生酒。生酛より、すっきりかな。後で、生酛燗とのブレンドが出ました。うーんと、よく覚えてません^^;
・竹鶴 純米にごり酒 18BY 《火入れにごり酒》
実は初めてでした。思ったよりずっと優しくおいしかった。後で、ペリエ・レモン割りをいただきました。お酒3番目の写真。澱だけで作ったら、しっかりしたふたができてました。横にしてもこぼれない。味はすっきり。やばいよ、いくらでも飲めちゃう。
・竹鶴 雄町純米にごり酒 酸味一体 17BY 《酸味の強い火入れにごり酒》
あいかわらずすっぱいです。肉が食べたくなります。純米にごり酒と、それぞれの上澄みと澱を味見して組み合わせを当てるゲームがありました。もちろん全員正解。外れたら恥ずかしいよー。
・秋鹿 純米吟醸にごり生酒 霙もよう 19BY 《活性にごり生》
活性なので、開けるのが大変だった模様。ポンって音がしました。冷やも燗も、なんとも言えず、すごくおいしかった。なんだろう、バランスがすっごくよかったので、それだけでも、食事と一緒でも、とてもよかった。
・辨天娘 青ラベルにごり 18BY 《火入れにごり酒》
飲みやすいお酒。なんだか、他と比べた印象がありません。たぶん、もうよっぱらってたと思われます。
・生酛のどぶ 瓶燗 仕込14号 18BY 《生酛仕込の火入れにごり酒》
これはもう、いつもの、愛するお酒ですので、しのごのいわず飲んでみて、って感じ。
6時から始まったというのに、大変もりあがって、一通りお酒をいただいてから、さらに「あれ飲みたい」「これ飲みたい」「この2種類をブレンドしたい」などなど、わがままを言いまくり、写真とったりおしゃべりしたりしまくりで、お店を出たのは23時頃でした。だらだらと遅くまでいてごめんなさい。
不要品処分中というKさんより、おもしろいキーボードをいただいて、家まで抱えて帰りました。音楽がんばらねばー。今日もまた、ごっきげんでした。お料理はおまかせで、まずおいしい豆腐にふろふき大根。この大根のおつゆがおいしくて、しっかり飲んでしまいました。この後焼き物が何種類か出ていたのですが、写真を取り忘れました。もちろん、大好きなれば焼きはリクエストしてあったので、みんなに味見してもらえました。
メインは、超ぜいたくな寒ぶりのしゃぶしゃぶ。お刺身用のぶりをさーっと湯に通して、ネギや大根を巻いて、紅葉おろしを入れたタレでいただきました。んーーこれおいしい!すごくおいしい!すばらしい!ごきげんでした。後で、にゅうめんにしてくれました。にゅうめんって、実は初めて食べたのですが、けっこういいものですね(そうめんは嫌いなのですが、暖かいとなんか別物でした)。料理の最後は海老のグリルをバターソースで。このソースがまた、すっごくおいしかった。そこらへんにあるものすべてにつけて食べたかった。
お酒は、乾杯のビールの後は、だいたい私のチョイスで日本酒をいろいろ出しました。最初は七本槍の、純米吟醸だったかな。これは冷やで。それからは燗で、御前酒(柔らかい女性っぽい酒)、日置桜の青水緑山(しぶい、男っぽい酒)、小笹屋竹鶴の大和雄町純米原酒、生酛のどぶ(にごりなのに甘くないよ!)、小笹屋竹鶴番外編(紹興酒みたい)、睡龍生酛純米原酒ってところだったでしょうか。()内は近くに座っていた人の感想で覚えているものだけ。全体的に好印象だったようです。みんな、日本酒もっと飲もうね!それも純米酒の燗ね!
おいしいお料理はしーちゃんのおかげです。今日も感謝感謝。と思ったら、しーちゃんは扁桃腺をやられたらしくて、か細い声しか出ない状態でした。感謝もしてるけど、なによりまずお大事に!
おいしいお酒はるみちゃんのおかげです。今日もおいしいお燗をありがとう!
なんだか盛り上がって、その後西口の東京麺通団でうどんを食べてかえったのは、内緒。お酒を飲むとあまり食べなくなるはずなので、よく入ったもんです。後でぱんぱんのお腹をかかえて反省しました。
スーツケースをかかえて玄関の扉を開けると、玄関の土間の真ん中に、通箱が鎮座ましましておりました。一瞬、帰る家を間違えたかと思いました。というか、まずこれを端に寄せないと、家に入れないぞ、ふわー……が正直な第一印象。なにぶん、くたびれていたもので。
で、実際のところ、この通箱が何だったかと言うと、奈良の久保本家で働くゆきちゃんが送ってくれたお酒だったのであります。酒好きの私を喜ばそうと、受け取ったyuoが、一番わかりやすい場所に置いておいたわけであります。それにしても、最初は力が抜けたよ。
通箱には、一升瓶が4本も入ってました。睡龍の涼(純米)と純米吟醸、生酛のどぶの13号と16号(タンク番号ね)。うれしーーーー。手持ちの睡龍生酛純米と合わせると、今シーズンのお酒にはもう困らないって感じです。ありがとうありがとう。らぶらぶ。(もちろん、他にも必須のお酒はいろいろあるので、買いますけど:P)さらに、蔵人さんも絶賛の奈良漬も入っておりました。うれしいーーーー。酒が進むよう。
いやあ、なんともうれしい奈良からの一撃だったわけでございました。
で、通箱は何に使おうかな、と思案中の私だったりします。その使い道の広さは蔵元体験実習で目の当たりにしたばかりだし。まあ、今のところは一升瓶収納に活用しております(ちょうど手持ち一升瓶が6本だし)。
まずは、流れにうまく入らなかった作業などについて。
お酒になるもろみを作るには、まず清酒酵母を大量に培養した酒母が必要です。酒母は、簡単に言ってしまえば水と麹で水麹を作って、そこに酵母と蒸し米を入れて、暖めて、酵母を増やしていったもの。生もとだともっと複雑ですが、その辺りは実習していないので、はぶかせていただきます。
中尾酒造では酒母と初添えまでは同じタンクで作るやり方で、普通は一個もとという、酒母1つで1タンク分のお酒を造る方法をとっているそうです。が、たまたまうかがった日は二個もとを造っていて、酒母を2つに分けて、片方に初添えを入れる作業が必要でした。というわけで、酒母の分量を量り、手桶で移して櫂入れをする、という作業がありました。なんだか、お酒って手作業でできているんだなーと納得する作業でした。
一方、仲添えをするためにもろみをタンクに移すのはポンプでガーッと。でも、最後までちゃんと流れるようにタンクを斜めにしたり、櫂でこびりついたもろみを穴に寄せたり、手作業の部分ももちろんあります。やっぱり、いいお酒は手で造られてるんですよ。(しかも、今年の見山は私の手で。うふふ。
続いて、実習で思ったこと。
準備と後片付け。そして、掃除洗濯。酒造りに欠かせないのは、なによりもまずこれでした。今日は大きいタンクにもろみを移す、となったら、まずタンクとふたをたわしでごしごし洗って、過酸化水素で消毒して、すすがないといけません。この作業は水道水なので、泣けるほど冷たかったです。中尾酒造では、半仕舞と言って、2日に1つ新しいお酒を仕込むスケジュールで作業しているので、2日に1度は酒母タンクともろみタンクを洗うわけです。きびしいなあ。ちなみに、毎日仕込むのは日仕舞、4日に1度仕込むのは二分五厘または四分一(しぶいち)だそうです。
準備はそれだけではもちろんありません。すべての作業に準備は必要。中尾酒造では、毎日かまに水を入れてこしきを据えて、その周りに踏み台を組立てます。
で、作業が終わったら、踏み台を片付けて、こしきの下にパイプをかませて、ころころっとしまいます。下の釜に入った熱湯で道具を洗い、冬の夜空の下で布類を干して、床を洗います。実は作業場のどまんなかにベルトコンベア式放冷器が置いてあったり、天井からクレーンがつるしてあったりするので、「使わないんですか」と聞いてみたところ、1人だと片付けに時間がかかりすぎるから、今のやり方の方が実は楽なんだそうです。なるほど。
準備・片付けは、他にもあらゆる作業にあります。払い出しの道具を出して、終わったら片付ける、洗米の道具を出して、使い終わった道具から全部洗って片付ける。水道水での洗米用袋の洗濯は見ているだけで手があかぎれそうです。何か出して使ったら、できるだけすぐ洗って元の場所に戻す。こころから、見習わなくては…と思いました。
中尾さんの創意工夫も興味深かったです。通箱(一升瓶ケース)ってなんにでも使えるんだな、と思ったし、とつぜんありえない場所にありえないもの(お風呂用スリッパが麹室に、とか)があってちゃんと役立ってるし(麹床にのるとき用)。一見散らかってる?と思った蔵は、実は超機能的にできているのでした。
普通に活躍していてすごいなあ、と思ったのは写真のフォークリフトとポンプ。米袋も洗米用タンクも出てくるのは必要なときだけで、後はこのフォークリフトでどんどんしまわれていきます。こっちのポンプは一応仕舞い場所があるんだけど、そこからしょっちゅう出てきては色んなホースをつながれてがんばってました。なんだかかわいくなって、ちょっと欲しくなったぐらい。使い道ないけど…。
あと、印象に残ったのは、くだらないことですが、1日にこんなに何回も着替えたことないよ、かなあ。夜中に働くので1日に仮眠2回だし、作業中に麹室に入る度にせっせと脱いだり着たり。どうでもいいことだけど、後片付けのきちんとさと、服の着脱が重なって印象深いです。
とにかく、以前にもまして、お酒がいとおしくなりました。たまたま今回作ったうちに自分で稲刈りに参加した三島雄町があったりして、よけいうれしかったです。4月に見山が出るのが待ち遠しいなあ。
さて、2泊3日働いてばかりいたわけではありません。中尾杜氏をはじめ、一家のみなさまに歓待していただいた体験実習でした。全体のスケジュールを書きつつ、おいしかったごはんの話もしようかな。まず、宿泊は、まさに蔵の真上にある部屋。蔵にも近いし(あたりまえだけど)、2DKと広いし、ふたりにはもったいないぐらいでした。しかも滞在中の食費、銭湯代まで出していただきました。本当にありがとうございましたー。
到着して、部屋で説明を受けて、作業着などを貸していただき、さっそく蔵集合。
2/1 14:00-17:30 払い出し、洗米、麹の切り返し・手入れ、麹室掃除、蒸し準備、夜の作業準備。
晩ご飯に出かける前に、蒸し米で作ったひねりもちをいただきました。これ、大好きです。
晩ご飯は、秋にも行ったみやさかで。龍泉生を冷やとぬる燗、続いて旬(中尾酒造のはつあげ)、見山ぬる燗と飲みました。夜中に働くにしてはしっかり飲んでます。つまみはおでんに焼き物、鯛のポン酢サラダなど。おいしかった! 伝説の風呂(熱いので有名な銭湯らしいけど、覚悟したほどではないな、と思ったら、最近多少ぬるくなったそうです。カランから出るお湯は確かに熱湯だった)に入って9時帰宅。さっそく仮眠(だったけど、髪をかわかしたりしていたら10時になってしまった)。でも、いつも晩ご飯を食べているぐらいの時間にはなかなか眠れませんでした。ぼーっとした頭で、12時半に起きて準備。
2/2 1:00-5:30 酒母分け、櫂入れ、出麹、盛り、(休憩)蒸し米堀り、引き込み、掛け米放冷、掃除片付け、天地がえ、櫂入れ、物干し、掃除、種付け、床もみ、麹の手入れ。
2時間ほど倒れるように仮眠をとって(今度はよーく眠れた)、朝ご飯はブルドッグという喫茶店のモーニング。ここのトーストが、不思議なぐらい美味でした。私もトースター買おうかな。
2/2 9:30-12:00 払い出し、洗米、タンク洗い、麹の手入れ
お昼は、商店街の真ん中にある牛丼大将で牛丼。目の前で作ってくれて、とてもおいしかったです。実はこちら、木下さんのお店です。が、昼はいませんでした。残念。
2/2 13:45-17:00 タンク洗い続き、洗濯物取り込み、こしき準備、(休憩)麹の切り返し・手入れ、麹室掃除、麹をタンクに入れる、蒸し準備、掃除・洗濯、夜の作業準備。
休憩でひねりもちをいただきました。昨晩お米が蒸し上がって麹室の作業をした後で中尾さんが作っていたものです。そのせいか、ちょっと昨日よりおいしい気がしました。
晩ご飯は、本日2度目の牛丼大将。飲みのつまみがいろいろあるんです。しかもおいしい。近所にあったら、まじで通ってますね。本日は、ビールを飲んでから、龍泉ひやおろし熱燗を飲み倒し。私も大好きなお酒なので、Sさんが気に入ってくれてうれしかったです。 白子の塩焼き、これで1人前です。うれしすぎ。さざえのつぼやきは、前もって一旦出してから戻してあるところがうれしいです。いわもおいしかったー。すごく立派な大きいいわしでした。最後に粕汁をいただいて、ちょーーーう満腹。お店に、めだかがいました。
また、昨日と同じ銭湯に寄って、また9時帰宅。雨が降ってきました。今度はできるだけ早くふとんに入って、ぎりぎりまで寝たので、3時間は寝られたはず。
2/3 1:00-5:30 もろみをもろみタンクに移す(水麹準備)、櫂入れ、出麹、麹室準備、(休憩)蒸し米堀り、引き込み、放冷、櫂入れ、天地がえ、掃除、種付け、床もみ、麹の手入れ。
もうぼろぼろです。でも、昨日より掛け米が少なかったのと、自分たちが少しは作業できるようになっていたので、ちょっとは楽だったかも。2時間泥のように眠る。
8時15分に出て、茨木駅前の喫茶店でモーニング。
2/3 9:45-12:00 払い出し、洗米、片付け、麹の手入れ。
最後に、終わりのミーティングをして、お酒を買ったりなどして、お別れです。蔵の入口に飾ったしめ縄、雄町の稲で杜氏自ら見よう見まねで作ったんだそうです。…ほ、ほんと、なんでもやるんですね。すごい。最後に、奥様の作った粕汁をごちそうになりました。おいしかった…。
帰りの新幹線では、「今寝たら夜眠れなくなる」と、必死で眠気をこらえていました。大阪駅で買ったひっぱりだこ飯が今夜の晩ご飯。ひたすら寝ました。月曜日の昼まで(休みにしておいてよかったー)。
中尾さんの体力と、くだらない話はどこまでもしょーもないのに、お酒の話になるとすごいところに、ほんと感激しました。本当にどうもありがとうございましたー。
# ところで、いるはずのSSIのコーディネーターって、いったいどこにいたんでしょうね^^;
蒸し米ができる前には後で蒸し米を入れるタンクに、前もって麹と水を足して櫂入れします。これは、よく撹拌して濃度を一定にすること。これが、けっこう力が入りました。液体だけならいいんですが、お米のたまっているところに櫂をつっこむと、抜くのも大変。それを、木下さんは、ひねるのがこつです、と言いながら、片手で…。それから、温度を測っておきます。この温度次第で、入れる掛け米の温度を調整するそうです。はい、水麹のできあがり。
蒸し上がったお米は、蒸し米堀りという作業でこしきから取り出されます。文字通り、木製のスコップでお米を掘り出すんです。この作業を担当するのが木下さん。まずは、上の方にある麹米を掘り出して木桶に入れると、それを私とSさんが担いで2階へと急ぎます。中尾酒造の2階へと続く階段は、蒲田行進曲の階段落ちのシーンみたいな木製大階段。 年代物でちょっとすり減ってる感がこわい。しかも足下スリッパだし。しかも、上がりきったところには、麹を下ろす例の大穴。ふらついて落ちたらどうなるんだろう、なんて妄想しながら、麹室で待ち受ける中尾さんに米を渡して、また下から運び上げる。中尾さんは、麹米を室で広げて、種付けにふさわしい温度まで冷ます仕事をしています。
続いて、下の掛け米はトロッコの上に消毒したゴム手袋で平らにならして、放冷器で冷まします。蔵内の温度は約6度。順番を待つお米からもうもうと湯気があがっていました。ほどよく冷めた米は、麹と同じようにトロッコからタンクへと手で運んでボチャンと入れます。
日本酒の仕込みは基本的に、酒母と呼ばれる酵母培養液に、3回に渡って麹・蒸し米・水を追加していきます。これを三段仕込みと言い、それぞれの追加を初添え・仲添え・留添えと呼びます。添え毎に入れる量は倍になるので、最後の留添えのときの掛け米の量と来たら。掘り出される米は延々と続き、タンクの中には米の山ができました。
タンクに米がすべて入ったら、また櫂入れです。これが、これが、これが、すっごく大変。お米の山に水麹をかけるようにしてぼろぼろとつきくずすようにして…えいやえいや!って感じなのがよくおわかりになるのではないでしょうか。全体が均一になっているようならば、これでおしまい。温度を測って、もろみの状態を記録して、タンク作業は終了です。
と言っても、これに並行して麹造りがあります。麹室はだいたいいつも30度ぐらいに保たれているので、中に入るときは上着を脱ぎます。私とSさんはTシャツにズボンぐらいですが、中尾さんと木下さんはスパッツ一丁!暑いんですよ。でも、湿度はそう高くないので、韓国の低温サウナに入っているような感じです。
先ほど広げておいた蒸し米は、布をかけておきます。引き込みと呼びます。冷めたあたりで天地がえします。下から手を入れて、お好み焼きを返す要領でえいやっとやって、お米をのばしてすき間を埋める感じ。
それからまたしばらくして(階下での1作業分ぐらい)、もう一度天地がえして温度を見て、OKだったら種付けをします。十分冷めていなければ、あおいだりして冷まします。種付けは、麹菌を米にふりまく作業。てばやく高いところからパラパラっと。この大事な作業まで体験させていただいて、ちょっと感激しました。続いて、よく混ぜるための床もみの作業。床にお米をすりつけるようにしてもみます。かなり力がいる仕事です。
ここで温度を測って、よければお米を山にして、布でしっかり包みます。ぱんぱんたたいて、すきまなく包んでいました。布で包んだ上から、さらにビニールをかけて、掛け布を何枚も重ねます。白い十二単みたいでした。
時は過ぎ、10時間後ぐらい、中尾酒造では午後半ばに、切り返しの作業があります。包んであった米の山がくっついて固まりになっているので、これを手でくずしてパラパラにするのです。麹に酸素を供給する目的です。この時点では、まだ麹が増殖しきっていないので、半透明でした。きれいにパラパラになったら、元通り包んでおきます。部屋の掃除も忘れずに。
また夜中。となりの小さな箱に麹米を移し、手入れをして端に積んで山にします。これは盛りという作業。盛りができたら、空いた床に新たに今晩用の布を敷いておきます。
さらに翌日午前中に麹の手入れ。仲仕事です。麹を広げてよーく混ぜ、前より広めにまとめて布をかけます。
午後にも手入れ。仕舞仕事といいます。箱全体に広げて、うねを作って水分をとばします。布はかけておきます。
最後に、また夜中。出麹という作業で、麹室からできた麹を出し、外の箱の中で広げ、うねを作って冷まします。
これで、麹のできあがり。だいたい丸2日かかります。麹の切り返しや手入れはとっても楽しかったです。なんだか、育ててるって実感がわいてくるんですよね。この麹が、翌日階下に下ろされて、タンクに入れられて、混ぜられてしまうんですね。なんだか、ちょっともったいない。
ほんの少しつまみ食いさせてもらいました。ほんのり甘くて、おいしかったです。
さて、主な作業については書きました。は、その他の作業や全体を通しての感想などは次のエントリで。
この2泊3日について、覚えている限りの作業や感想を書いていきたいと思いますが、実際にやった通りの順番で書いても、酒造りをよく知らない人には意味不明だと思いますので、できるだけお酒のできる工程に近い順番で作業を並べて書くことにします。その後、蔵での2泊3日の暮らしについてなど、入りきらなかったことを書くことにしましょう。
さて、最初にこの実習は仕込みの時期におこなわれています。この蔵では、ほとんどのお酒を1月から2月前半にまとめて仕込み、2月末から絞りに入る、というスケジュールです。そこで、実習で体験したのは仕込みまでです。その後の、もろみの様子を見ながら求めるお酒に育て上げ、絞る、という段階については書いてありません。また、仕込みの主な作業は、中尾酒造では毎日夜中におこなわれています。気温が重要な要素だからです。夜には、ボランティアで仕込みを手伝っている木下さんが参加します。「お金をもらわないからいいんですよ」と語る木下さん、かっこよかったです。作業時間の詳しいことは、後半でまた。それから、と、こちらの蔵の生産高は年間200石だそうです。一升瓶にすると2万本です。あと、写真は作業が忙しいときには撮っている余裕なんてなかったので、写真のない工程もあります。その辺の光景は自分の記憶にそっとしまっておこうと思います。えへへ。
ご存じの通り、日本酒は米と水でできています。中尾酒造では敷地内の地下水(わりと硬水)を使っています。地下水は18度程あるので、その日の仕込みに使う水は日中に汲み上げて、蔵内のタンクでほどよい温度まで冷やしておきます。米の方は、蒸して使うのですが、まずはごはんを炊くときと同じで、洗米・浸漬・水切りが必要です。
でも、まずは払い出し。お酒の種類や工程にしたがって必要な米の品種や精米歩合が違うので、まずは必要なお米の分量を量って洗米用の袋に入れます。だいたい10Kg前後の袋に小分けするのですが、女の身には、これだけでけっこう厳しい。10数キロの物を肩の上まで担ぎ上げるなんてこと、しませんからねー。それが日にもよりますが10何個あります。最後の方は、1Kgの差をずっしりと感じられるぐらいになりました。しかし、この作業なんて序の口。
さて、洗米・浸漬・水切りを始めます。道具立ては右のような感じ。精米度合が50%だったりする酒米は非常に水を吸いやすく、しかも吸水度合が異なると一部だけべたついたりしてしまいます。そのため、最低でも麹米はすべて厳密に時間を計って手洗い。大量の掛け米のみ機械洗いすることもあります。1人でこれをこなすのは大変ですが、できるんですね。感動です。全袋に対して洗米開始時間と浸漬時間を並べた表を作って、ストップウォッチを見ながら作業します。洗米開始は3分置き。桶で洗って、ホースからの流水で洗って、桶にどぷんと漬けて、時間が来たら横のバーにつるして水を切り、最後にトロッコ(?)に種類毎に載せて一丁上がり。 最初の内はいいんですが、浸漬時間の違う米が混じったりすると、だんだん、頭の中が数字でいっぱいになります。どっちからやればいいんだっけ、とあたふたしちゃいます。これでも、空き時間には他の作業をしに蔵を走り回っている中尾さん。脳みそ複数あるんじゃないでしょうか。
水切りの終わったお米は、こしきという巨大蒸し器に入れます。下の方に、多少べたっとしてもかまわない大量の掛け米(100Kg強あたりまえ)を入れます。手作業でタンクからこしきにみのを使って米を移すのはけっこう腰に来ます。 入れた米は櫂でおおまかにならしてから、ささらで平らにします。続いて、仕切り布の上に麹米を広げます。ざーっと流したお米をささらでならします。右は、作業中唯一の私の写真です。
夜に入ってから、釜に火を入れて、90分程度蒸します。左の写真は、蒸し中。蒸し上がると忙しくなるので、その前にちょっと寄り道。
蒸した米は、麹米は麹室へと運ばれて、麹になるわけですが、できあがった麹は、酒母やもろみの仕込みの時に蒸し米と共に添加されます。そこで、夜に蒸し米を入れる前に、まず2階にあるできあがった麹を階下に下ろして、タンクに入れます。天井の穴はそのためにあったんですね。麹の降りた1階からタンクの口までは、7段の細い階段があります。麹の入った敷き布を両手で持ってその階段を上るのは、けっこうどきどきものです。 転んで大事な麹をぶちまけちゃったらどうしようーって。でも、一度も転ばなかったけどね。
作業的にはあと主に蒸し米関係と麹作りがありますが、長くなったので、その辺りは別エントリにしまーす。